トライアル2014参加者体験談

櫻井楓

 

私は今回のトライアル2014で、一年半ぶりの舞台出演となった。

今は専門学校で舞台スタッフの勉強をしているのだが、やはり舞台に立ちたいという気持ちがあった。なので今回、トライアルに参加してみようと思った。

 

とは言っても、構成演劇というものに初めて挑戦して、今まで経験してきたものとは作り方がまるで違っており、自分からこの創作現場に入りこんでいくのに苦戦した。あとになってから、こうしてみればよかった。などと振り返ることが多かった。

 

なにより感じたことは、劇団員と自分との意識の違いだ。一緒に稽古することで改めて劇団員の方々の公演や演劇に対する、意識の高さを感じた。比べて自分はまだまだだった。芝居に対する意識も、向き合う覚悟も、何もかも足りない、甘かったと痛感した。

 

公演を終えて、悔しさが残った。自分のエネルギーを出し切れなかった。なにより観に来てくださった方々に申し訳ない。今すぐにでもリベンジしたい、また舞台に立って次こそ自分の持つ最高の演技を見せたいと感じた。

 

今回トライアルに参加して、本当によかったと思う。たくさんのことを学んだ。なにより舞台の厳しさ、楽しさを改めて感じることができた。

 

劇団員の方々、スタッフの方々、応援してくれた友人や、なにより家族には本当に感謝しています。皆さんがいてくれたおかげで、濃密な時間を過ごすことができました。

 

本当にありがとうございました。

 

この恩は、舞台で返していきたいと思います。

松浦良樹

思えば、トライアル2014への参加を決めたのは今年の7月頃だった。初稽古が8月だったのを考えると、かなり直前だったように思える。

私は大学から演劇を始めた身で、経験は漸く一年といったところ、故に仙台シアターラボという劇団を知ったのも最近なのだが、その作品には何か心臓を掴まれるようなものを感じていた。何より、これは結果よりも経過に立ち会う方が数倍面白いに違いない、と思ったのが、参加の決め手であった。

稽古が始まってからは、今まで大学の演劇部でやってきたものとは全く異質な創作活動に戸惑いながらも、毎回多くの発見がある稽古場は自分にとっては新鮮で面白いものだった。
自分の中の演劇というものへの理解、関心が深まっていく感覚、まさしく「研鑽」という言葉が当てはまるような充実感があった。

このトライアル、俳優養成とはいうが、私としては演技だけの話ではなく、舞台美術や音響、照明など、舞台に関わるもの全てへの創作意欲、演出としての創作意欲を刺激されたような感覚である。
或いは、そうやって全体への目を持つことが「俳優」には欠かせないものなのかもしれない、とも思う。

トライアル2014に関わった全ての方々へ、本当に、本当にありがとうございました。

佐田美菜


『トライアルに出たい』と思い始めてから2年が経ち、やっと時期が来た。
このトライアルに参加して、その先に見える景色を想像して毎日胸が高鳴るようだった。
創作していく上で、様々な恐怖や戸惑いなどにも早く出合いたくて仕方なかった。
稽古初日から千秋楽まで本当にあっという間で、台風が過ぎ去った後みたいで。こんなことは今までになく驚いている。

短い稽古期間だったが、小さい箱の中に宝石をぎっちりぎっちり詰め込んだような重みと充実感があった。

はじめての構成演劇。
フリーエチュードやショートシーンを経験し、自分が本当の意味で舞台にいるって、こういう感覚なのかもしれないと思った。
こんな楽しい演劇ともっともっと早く出逢いたかった。
悔しくなるほどに兎に角楽しかった。
次々出される課題に眉間にシワをつくりながら、何とかネタを絞り出すのを繰返して、やっと作品に近付く。
この段階は複雑で自分自身や自分のまわりの人、環境、感じるものすべてを研ぎ澄ましていく作業だと思う。
今まで知らなかったことで、でもこれは俳優にとってかなり重要なことだと分かった。

もっともっと仙台シアターラボの技術を知りたい、学びたい欲求に駆られているが、
まずはトライアル2014を終えて、出演者とスタッフの皆さん、観に来てくださったお客さまに深く感謝。
皆様、ありがとうございました。

宍戸雅紀 

 

実感する毎日。演技面、物語の構成力、アイディアの出し方、まとめかた。あらゆる面において力不足を実感、後一歩どころか数歩、数百歩と。

驕っていた訳ではないが、過去に「若伊達プロジェクト」のAチームに役者として参加し野々下さんの演出を受けたことがあったのもあり、「トライアル」に参加することは初めてだったが過去の経験を踏まえ今回こそは大丈夫、自分のやりたい舞台を納得できる形で表現出来ると感じていた。

それが叶わなかった原因は主に二つ。一つは台本・演技進行が完成してから、ブラッシュアップに掛ける時間が足りなかった。二つ目は自分が役者にとって最も大切であると考える「舞台上での異常なまでの熱量」を出せなかった事である。

 仙台シアターラボでは役者1人1人が、自己プロデュース力、つまり自分自身を演出する力を求められる。台本でも演技進行でも野々下さんにある程度整理していただいた後は自分自身でブラッシュアップしていかなければならない。ブラッシュアップ時にどうしたら良いか判断に迷ってしまい、迷走し、着地点を見失ってしまう事が多かったのが台本・演技進行の確定が遅れた原因。稽古場だけでなく、稽古外においても芝居と向き合う時間を多くとる事で解決しようと思う。

二つ目の熱量については自分自身、最も越えなければいけない壁であったと痛感。「良く魅せる為には限界点を超えてある種、狂気に感じるほどの熱を放出しなければいけない。」これは自分が演出を行っているときに最も大切にしている点なのにも関わらず納得できる形で表現出来なかった。通常、これらは体の底から滲み出てくるものと考え、台本・演技進行が頭にしっかりと入ってから反復を行うことで放出の方法を探っていくために、辿り着けなかった。

次回以降、役者として参加する場合、自己プロデュース力を高め、台本・演技進行の決定の判断を早々に完了し、反復によるブラッシュアップに多くの時間をさけるようにし、舞台上で自分が納得できる表現を行えるよう、日頃から精進していこうと思う。

及川貴明
 
私は今回の「トライアル2014」で失敗ばかりしていました。 
その失敗の多くは私が「子供っぽい」からです。
稽古場、小屋入りの時にすら、気を使えない、人に甘えてしまうなんて事を私はおこなっていました。本当に情け無いです…。
私は社会に出ている人間なのですから、そこを直す努力をしていかなければならないと思います。
稽古場では私のネタ不足や集中力の低さから、俳優陣にご迷惑をかけてしまっていました。自分が恥ずかしくて仕方ありません…。
課題は多いですが一つずつ確実に改善していきます!!
《ネタ不足を克服する為には面白いと思ったことをメモ帳に記す!》
《集中力の低さはとにかく真面目に真剣に取り組む!》
これを行う事で目標にいち早く到達出来るでしょう!
私は今回の公演で心掛けていた事があります!
それは………「前回の公演での私と変わる」です。
前回、前々回の公演ではいじられたり、演じているのではなく貴明そのものが面白かったりする部分がありました。
それでは成長する訳がありません。
面白かったりするのは周りの人達や演出の力があってこそでした。私が出るだけで「貴明って面白いんだな」と思わせるように芝居をして一つの作品を創りたいです。

前の公演を観に来てくれた、家族や友人等には「貴明が出ると空気が変わるね!専門学校時代とは違う。」と言葉を貰えました。今回の公演で狙っていた言葉が貰えて本当に嬉しかったです!
夢に一歩近づけた気がします!!

20156月の本公演では俳優陣、スタッフ陣に「貴明が居てくれて助かった」と言われるように努力します!!!